映画『よだかの片想い』を鑑賞しました。
コンプレックスを持ちながらも、自分と向き合う
島本理生さんの小説を原作とし
映画化された本作。
顔のあざにコンプレックスを持つ主人公が、
とある出会いをきっかけに、
自分と向き合っていく作品。
2021年の東京国際映画祭にも
エントリーしていた一本でした。
ありのままを一度受け容れ、そこから自分で決める
映画館での公開が9月16日と
公開されてまだ間もないので、
詳しくは書かないのですが、
ありのままの自分を一度受け容れる。
そして、その上でどうしていきたいのかを
自分で決めていくことが大事だと。
主人公がさまざまな人たちと築いてきた、
あるいは築いていく関係や
進んでいく物語の中でそんなことを思いました。
無理して変わる必要もない、だけど変わりたい気持ちもまた尊い
作品の終盤、大学の教授が
「無理をしたからといって必ずしも人は変われるわけではない」
「無理に変わろうとしなくてもいいんじゃないですが」
と言った場面。
ここが特に私が心に響いたところでした。
近頃、世の中に流れている情報には
無理すること、変わることの美徳のようなものが
散見されると感じています。
時には現状を否定しろというような、
強い論調のものも。
しかしながら、必ずしも変わらなければ
いけないものなのだろうか。
そんな違和感もあります。
教授のことばのように、
無理をしても必ずしも変われるとは限りません。
それどころか、無理をしたことで
心身を壊してしまったらそれこそ本末転倒。
ただ一方で、変わりたいと思う気持ちや
変わろうと行動することもまた尊いもの。
どちらかがいい悪いと決めつけず、
自分で納得して決めることが
大事なのだと思います。
いまを受け容れ、これからを自分で決める
ざっくりとした感想にはなってしまうのですが、
いまのありのままの自分を一度受け容れ、
それを受けて自分がこれからどうしたいかを
自分で考えて決めることの大切さの
メッセージを私は観ていく中で感じました。
世間的な多数派の目など、
判断を惑わせるものは多々あるものの、
最終的に決めるのは、自分。
変わることを選ぶのも、
変わらないことを選ぶのもまた自由ですし、
一度受け容れた現状がベースにあるのなら
それはどんな選択であったとしても
間違いではないはずです。
いまを受け容れる。
無理しなくてもいい。
自分の心に正直に。
自分で決める。
正解のない時代を生きるヒントを
もらった思いの本作でした。