失い、傷つき。それでも生きることはあきらめない。読書メモ465-『夜に星を放つ』

読書

窪美澄さんの『夜に星を放つ』を読みました。

『夜に星を放つ』窪美澄 | 単行本
人の心の揺らぎが輝きを放つ かけがえのない人間関係を失って傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを真摯に問いかける短編集。

失っても、生きていく。直木賞受賞作

2022年7月に決定した第167回直木賞の
受賞作となった本作。

それぞれかけがえのない人間関係を失い、
傷つきながらもまた人とのつながりを
願う人たちが主人公となり、
心の揺らぎを描いた短編小説からなる
5本で構成されています。

本書の章構成

真夜中のアボカド
銀紙色のアンタレス
真珠星スピカ
湿りの海
星の随に

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失う傷を負いながら、それでも生きる

本書ではそれぞれの登場人物が、
それぞれそのものや背景に違いはありながらも
大切な何かを失って傷を負いながら、
それでも生きる姿が描かれています。

それぞれの物語について
すべて経験したというわけではないものの、
日常の中によくありそうなことも多く、
その場面を想像しながら読み進められ
登場人物の心情などに惹きこまれていく。
そんな感じがありました。

すべてのものごとには必ず「終わり」があります。
それに伴い、どんなに大切なものや関係も
どこかで失うときがやってくる。
そして、その傷を負う。
それは避けて通れないものなんですよね。

だけど、そんな最後に「失う」のあるものが
私たちを救ったり生きる力をくれる。
それもまた事実であり、だからこそ
生きていてよかったと思えるわけで。

苦しいときに、どうにかしようともがく姿。
自分ではカッコ悪いなと思っているようなことでも
そういうところがまた、苦しみながらも
あきらめずに生きていて、尊いのだと私は思います。

失った傷を負いながら生きる人たちを描きつつ、
救いや希望としての「星」もちゃんとある。

生きることはいいことばかりじゃないし、
苦しいこともたくさんあるけど、
それでも生きることをあきらめない。
生き続けていこう。
そう改めて思わせてもらえた一冊でした。

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