不確かの連続の人生で、ことばにならない想いもまた尊いもの。映画メモ106-『偶然と想像』

映画

私が2013年10月から続けてきた
毎月1本以上の映画鑑賞。

2020年の1回目の緊急事態宣言時には
映画館の休館でスクリーンで
鑑賞できない時期があったものの、
この2022年1月で連続100ヶ月目になりました。

その連続100ヶ月目となった
私の2022年の映画はじめ。

『偶然と想像』を鑑賞しました。

偶然と想像をテーマにした、三つの物語

本作は、タイトル通りの「偶然と想像」を
テーマとし、それぞれ独立した
三本の短編の物語を展開。

第1話『魔法(よりもっと不確か)』
第2話『扉は開けたままで』
第3話『もう一度』

それぞれ「起こったある偶然から、
不確かで連続する現実に向き合いながら
これまた不確かな自分の想いを
ことばにしていく」という作品。

ひとりひとりが抱える、痛みや苦しみ

傷つくのが怖くて、本音を隠して生きている。
そんな中でたまにある、魔法のような特別な時間。

自分がいる集団の中では浮いてしまう個性と、
そのときでなければ出会えなかったタイミング。

ずっと抱え続けた、心の中の穴。
それは誰かとつながるための、必要な穴。

それぞれが抱える、どちらかといえば
痛みや苦しさのある想い。

それらは言語化しなかったり
見ないようにして、触れないようにする方が
日常を生きていく中では楽なもの。

ですがそうすることで自分の本当の気持ちが
わからなくなってしまう。
そんな場面も、作品内では多々ありました。

そうした痛みや苦しさのある想いに触れる、
作品の中での「偶然」。

こうした痛みや苦しみって
多くは人間関係の中で起こるものであり
自分ひとりで完結するわけではないので
そこに「想像」が加わって
面倒になっていくんですよね…。

ことばだけがすべてじゃない

全3話それぞれの登場人物が抱える
痛みや苦しみのある想いをことばにしていく。

そんな過程も物語の中で可視化されていましたが、
私は第2話『扉は開けたままで』で
瀬川先生が話したことばに心を打たれました。

「言語化できない、未決定な場所に居れる強さ」

「自分だけが知っている自分の価値を
抱きしめなくてはなりません。
そうして守られたものだけが、
思いもよらず誰かとつながり、
励ますことがあるからです」

たしかに、ことばは情報を伝え、
想いを伝えるためにコミュニケーションに
おいて重要なもの。

ですが、ことばだけですべてが
伝えられるかというとそうではなく、
ことばは手段の一つでしかないものです。

ことばだけがすべてではないし、
ことばにできない感情や想いを
無理してことばにしなくてもいい。
それらがことばになるときには、
必要なタイミングでそうなるものである。

それが瀬川先生の話す
「言語化できない、未決定な場所に居れる強さ」
なのかな、と思います。

人生もまた、不確かの連続であり
どんな偶然が変化のきっかけに
なるかはわからないもの。

手放しで希望をもらえるわけではないですが、
「自分だけが知っている自分の価値」を大切に
不確かだらけの世の中で丁寧に生きて
偶然を迎える準備をしようと思いました。

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