ひとりひとりの「好き」への選択が受け入れられ、尊重される世の中を。映画メモ104-『彼女が好きなものは』

映画

毎年、この時期に開催されている
映画の祭典、東京国際映画祭。

34回目の開催となった今年も
10月30日に開幕し、
明日11月8日までの10日間の開催。

第34回東京国際映画祭(2021)
第34回東京国際映画祭 2021年10月30日(土)~11月8日(月)【10日間】日比谷・有楽町・銀座地区にて

今年は昨年までの六本木から
日比谷、有楽町、銀座地区に
拠点を移して行われています。

私も、今年もこの祭典での
上映作品を鑑賞しました。

彼女が好きなものは

私が今回、鑑賞した作品は
『彼女が好きなものは』

映画『彼女が好きなものは』公式サイト
【ゲイ】であることを隠している僕。【BL好き】を隠している彼女。交わるはずのなかった2人の純粋でいびつな恋物語。出演:神尾楓珠 山田杏奈 前田旺志郎 三浦獠太 池田朱那 渡辺大知 三浦透子 磯村勇斗 山口紗弥加 / 今井 翼。監督・脚本:草野翔吾 原作:浅原ナオト「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(角川文庫刊...

浅原ナオトさんの小説
『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』
を映画化した本作。

彼女が好きなものはホモであって僕ではない
文庫「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」のあらすじ、最新情報をKADOKAWA公式サイトより。繋がれない僕らは、それでも、あたりまえの幸せを手に入れたい。

2019年には『腐女子、うっかりゲイに告る。』
のタイトルでNHKでのドラマにもなりました。

ゲイの男子高生とBL好きの女子高生が出会い、
さまざまな葛藤と向き合っていく
様子を描いた作品です。

「好き」への選択が尊重される、世の中に

本作の監督を務める草野翔吾さんが
11月6日の回の上映後にQ&Aに登壇され、
そのイベントレポートが
こちらに公開されていますので、
私から詳しく書くのは省略します。

『彼女が好きなものは』の草野翔吾監督「この映画がLGBTQを描いた映画と言われない日が来てほしい」
第34回東京国際映

なにかを好きになる、好きなものがある。
これって本来は尊いものであり
一人ひとりの「好き」は
同じように尊重されるべきもの。

ですが、その内容によっては
なかなか他人に言いづらく
自分の中に閉じ込めてしまう。
そんなことも多いのではないでしょうか。

本作の登場人物でも、

BLが好き。
同性が好き。

それぞれ、誰にも言えずに
悩みとして隠しながら生きる
姿が描かれています。

近年、世の中は変化していて
多様化しているとは言われています。

ですが、それでも多くの人が選んでいて
人によっては選ばされている、
「普通に生きる」ことが強要されている。

そしてその枠に収まり切れなかった
人は生きづらさを抱えながら
場合によっては生きる気力すら
奪われてしまっている現状が
あるのも事実です。

いろいろな人がいる。
それも頭ではわかっていることでしょう。
だけど自分の身近にそういう人がいたときに、
自分は受け入れられるのかといった問題も
作品の中では映し出されていました。

自分の「好き」を言える。
それは良いとは思いますが、
一方で、言って開示することが
すべてになってしまうと、それはそれで
危険かもしれないな、とも思います。

「好き」を言っても大丈夫。
だけど、言わない自由もある。
ひとりひとりに合った選択の幅が
ちゃんと確保されて、どちらであっても
尊重される世の中に少しずつでもしていければ。

そんなことを、鑑賞して考えたのでした。
タイミングを見計らって、
原作も読んでみようと思います。

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