世間を無視することはできない。それでも、もがいて生きざまを伝える尊さ。読書メモ404-『火花』

読書

又吉直樹さんの『火花』を読みました。

文春文庫『火花』又吉直樹 | 文庫
「火花」待望の文庫化! 第一五三回芥川賞を受賞し、二〇一五年の話題をさらった「火花」が文庫化。受賞記念エッセイ「芥川龍之介への手紙」を併録。

笑いとは、人間とは

お笑い芸人として活躍する
著者の又吉直樹さんが
2015年に書いたデビュー小説。

売れない芸人が、師となる先輩芸人と出会って
さまざまな経験を通じて学んでいき、
お笑いや人生について描いた本作。

お笑い芸人としては史上初めて
芥川賞を受賞した本作。
世に出てから6年経った今、拝読しました。

読書中のツイート

世間から見たら小さくても、それでももがく尊さ

お笑いの道で奮闘する、若い芸人。
そこで、師となる先輩芸人と出会って、
さまざまな経験をして学んでいく。

お笑いとは、そしてその根本にある人生とは。

読書中のツイートにも書きましたが、
師匠となる先輩芸人が語った
「漫才は面白いことを想像できる人のものではなく、
偽りのない純正の人間の姿を晒すもんやねん」

これって、そのとおりだし、
漫才に限らずアウトプットや表現すべてに
おいていえることではないでしょうか。

書けるもの、出せるもの。
そこにはその土台となる自分の人生が
あってこそ存在するものだと思います。
そしてそのベースがあって、
見えるものも変わってくるのではないでしょうか。

売れるためのテクニックとか、
そうしたインスタントなものではないですよね。

とはいえ、私たちが生きている世間は
そんなにやさしいものではなくて。

お笑いの世界でも多くの若い芸人が
売れることを夢見て奮闘し、
芽が出ずに挫折してしまう人も多々いる現実。
大きく見てしまうと、何もないことを
思い知らされることもよくあります。

自分が生きている世間から見たら、
自分のやっていることなんて
小さなことなのかもしれません。

だけど、何かに取り組んでいるときに
なんとかして爪痕を残したい。
そんな想いもあるのではないでしょうか。
本書に登場する芸人たちも、
自分のネタで誰かが笑ってくれるかもしれない。
そこでの喜びのために日々奮闘する姿が。

振り返れば私も、何もないかもしれないけど
こうして8年間毎日ブログを書き続けることで
世の中に爪痕を残そうとしてきました。

それは、わずかな火花かもしれないけれど、
そうしてもがく姿こそ尊いのだと思うし、
私もそう信じて、書き続けています。

大それたことなんてできていないでしょうし、
この先だって何も起こらないかもしれない。
だけど、何かできた時の喜びを信じて、
小さくても続けていこう。

改めて、勇気をもらえる一冊でした。
単純な、勇気一本!というよりは、
清濁併せ吞んだうえでの勇気という感じです。

お笑いに限らず、何かに取り組む人には
得られるもののある一冊だと思います。

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