ゲーム依存の現状を知るとともに、社会が抱える問題の縮図を見る。読書メモ385-『ゲーム依存から子どもを取り戻す』

読書

佐野英誠さんの
『ゲーム依存から子どもを取り戻す』
を読みました。

ゲーム依存から子どもを取り戻す|育鵬社
育鵬社は「子供たちよ、大きく育て!」という願いを込め、新しい教科書作成に取り組みます。

私が毎日の習慣としている読書ですが、
2021年の50冊目となった本書。

フリースクール塾長が綴る、ゲーム依存の現状と脱却まで

子どもの引きこもりや不登校は
いつの時代にもある問題。

ですが、現代ではその9割近くが
「ゲーム依存」であり、
人数は90万人ともいわれています。

本書はフリースクール塾長である著者が
寮での子どもたちとの共同生活を通し、
ゲーム依存の子どもの現状と依存からの脱却までの
取り組みを綴った一冊です。

本書の章構成

第1章 子どもたちは何をしているのか~ゲームの実態~
第2章 親と子のゲーム戦争
第3章 子どもたちをゲームから取り戻す
第4章 ゲーム依存の子どもたちの更生
第5章 子どもを救うために親ができること

読書中のツイート

教育の「ゼロイチ」を担う親、孤立しないサポートも必要

好きで熱中するものがある。
ゲームを、人生に彩りを加えるための
手段として楽しむ。
それぞれ、それ自体では良いことです。

ですが、ゲームに熱中することで
利用時間などを自分でコントロールできなくなり、
日常生活に支障が出てしまうのがネット依存。

主導権が自分でなく、ゲームになってしまう
状態ともいえます。

本書では著者の取り組みの事例を通じて
子どものゲーム依存の現状が見えますが、
それは想像以上のものでした。

そこからの、不登校や生活リズムの乱れ、
家庭内暴力やお金のトラブルなど…。

この子どもたちのゲーム依存の問題について、
「親が弱くなった、もっと強くあるべき」という
スタンスで著者が書かれているように
私は感じたのと同時に、賛同する部分と
そうでない部分を分けて読み進めました。

たしかに、過去と比較すると
親は「相対的に弱くなった」かもしれません。

ただ、そこにはさまざまな背景も
あるのではないでしょうか。

社会や、地域、学校などの教育が
以前ほど機能しなくなり、
それが親に丸投げになったともいえるように
私は考えました。

また、現代に限らずですが
親もまた社会の中ではひとりの人間であり、
そこでさまざまなプレッシャーを受けながら
生きているということも考慮したいもの。
そこには、子どもたちがゲームに依存してしまう
要因も重ねて関連はあると思います。

ゲーム会社の商業主義。
丁寧に向き合う、余白の欠如。
弱くなったつながりの反面、強化された監視。
などなど…。

とはいえ、子どもは親から生まれますし
教育の「ゼロイチ」を担う立場として
まずは親がしっかりしないと、というのは
納得はしています。

地域や社会での教育も、「かけ算」はできても
「足し算」は難しいですからね。

ゲーム依存の要因は複雑に絡み合っています。
ひとつひとつ丁寧に、取り組んでいく
必要があると思います。

合わせて、親が社会の中で孤立せずに
親としての「ゼロイチ」ができるよう、
社会や地域などが「自分の問題」として
できることをしながら直接的にも間接的にも
サポートしていくことが
必要なのではないかと考えました。

ゲーム依存の問題と同時に、
今の社会が抱えている問題についても
改めて考えさせられる一冊でした。

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