悲しみも、苦しみも。なかったことにしない。すべて、生きる糧に。映画メモ95-『朝が来る』

映画

映画『朝が来る』を鑑賞しました。

辻村深月さんの小説を映画化、単館上映で鑑賞

本作は、辻村深月さんの同名小説を
河瀨直美監督によって映画化された
ヒューマンミステリー作品。

昨年10月23日に全国上映を開始後、
一度は全国上映が終了しましたが、
2月19日から船堀の船堀シネパル
単館上映を開始し、現在上映中。

映画館|タワーホール船堀
タワーホール船堀は イベント会場 コンサート会場 会議室 和室 展示場 映画館 結婚式場 展望台までそろった、東京都江戸川区にある施設です。

私はこの船堀シネパルでの
単館上映で鑑賞しました。

特別養子縁組によってつなぐ家族のきずな、葛藤

本作では、実の子を持てなかった夫婦と
実の子を育てることができなかった14歳の
少女を「特別養子縁組」によってつなぎ、
家族のきずなと葛藤を描きます。

詳しくは以下、作品の公式サイトも
参照いただければと思います。

映画『朝が来る』公式サイト | 2021年3月24日(水) Blu-ray&DVD発売!
辻村深月 × 河瀨直美 感動ミステリー映画化。キャスト、永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子。2021年3月24日(水) Blu-ray&DVD発売!

現代社会が抱える問題、脆い”普通”、生きづらさ

特別養子縁組や不妊治療、未成年の妊娠。
たしかにそれらのテーマはあった本作。

ですが、私はレールのような”普通”が、
とても脆い綱渡りであり、
こんなにも困難を伴うことなのかと。

いつ誰に起こってもおかしくない
“普通”じゃないことなのに、
自分の周りに起こるとそれは
なかったことにされてしまう。

そんな社会の生きづらさの中でも、
力強く生きる希望を見出していく。
そんな作品として受け取りました。

本作の主人公の1人である
14歳で妊娠したひかりちゃん。

産んだ子は特別養子縁組で託した後、
最も近くにいる存在で
あるはずの家族ですらも、
自らの保身のために
その事実をなかったことに
しようと振るまわれ、
やがてひとりで生きていくことに。

さまざまな困難に見舞われ、
自らに降りかかった悲しみや
苦しみを抱えながらも、
それでも前を向き、やってくる「朝」。

なかったことにしないで。すべて生きた証

本作の終盤。
手紙にぼんやりと浮き上がる文字列。

「なかったことにしないで」

このことばが刺さり、
この一言に尽きる、と。

悲しみも、苦しみも。
そこで何かの経験をした。
だから起こったものであり、
そこに生きた証なのです。

それをなかったことにしてしまうのは
生きていたことすら否定してしまう
ことではないでしょうか。

私も、これまで生きてきた中で
悲しいこと、辛いこと、苦しいこと。
たくさん経験してきました。

それを思い出したり引きずるのは
はたから見たら生産的では
ないかもしれません。

ですが、その経験があったから。
今の自分がいるともいえないでしょうか。

どんなことであっても、
なかったことにしない。
すべてを抱えながら糧にして、
それでもやってくる、
新しい朝を迎えたいと思うのです。

実は私が本作を知り、鑑賞にいたったのは
2月上旬に目にした最所あさみさんのnote。

それでも、朝は来る|最所あさみ|note
「なかったことにしないで」──。 ぼんやりと浮き上がる文字列を見た瞬間、これは私の言葉だと思った。 *** 映画「朝が来る」を見た。特別養子縁組や未成年の妊娠が題材になっているためこのテーマに関連した感想が多いが、私は「どうしようもない悲しみを、もう一度抱え込めるようになるまで」の話として鑑賞した。 ...

このnoteを読んで、観てみたいと
強く思ったのですが、既に全国上映は終了。
関東近郊での上映スケジュールを確認し、
今回の単館上映で鑑賞が実現できました。

全国上映中は観る機会に
恵まれませんでしたが、
こうして今、鑑賞できて
良かったと思っています。

すばらしい作品に出会えたことはもちろん、
noteを通じて出会わせてくださった、
あさみさんにも感謝ですね。

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