100年たっても、変わることのない人間の本質を描く。読書メモ343-『マスク スペイン風邪をめぐる小説集』

読書

菊池寛さんの『マスク スペイン風邪をめぐる小説集』を読みました。

スペイン風邪をめぐる短編小説集

本書は全8篇の短編小説集。

そのうちの3篇
『マスク』
『神の如く弱し』
『簡単な死去』

は今から100年前のスペイン風邪が
猛威をふるった頃のようすを、
特に『マスク』は著者自身の実体験を
もとに描かれたものであり、
より鮮明に当時の社会が
描写されています。

本書の章構成

※短編小説集であり、作品構成です。

マスク
神の如く弱し
簡単な死去
船医の立場
身投げ救助薬
島原心中
忠直卿行状記
仇討禁止令

私の日常道徳
解説「百年の黙示」辻仁成

読書中のツイート

100年前も、今も。変わらない人間の本質

スペイン風邪をめぐり、
ご自身の実体験を描いた『マスク』

文章にして10ページ弱の
短編小説でしたが、
そこには当時の世の中の様子が
凝縮されて描かれていました。

うがい、マスク、外出しない。
日々の数字に一喜一憂。
上から目線の医者。

自分と同じことをしてる人に仲間意識。
違うことをしてる人に嫌悪感情。
それによる同調圧力。

また、他の作品には
かかったりかかわらなければ
他人事の描写も。

これらは、新型コロナウイルスの
感染に揺れる現代と、
何ら変わらない印象を持ちます。

結局、100年たっても、
人間の本質は変わらないもの。
そんなことを感じさせます。

いずれマスクのいらない時が
やって来るかもしれませんが、
それは感染症が収束したからではなく、
誰かからはじまって、それが広がって
多くの人がマスクをしなくなる。
そんな流れなのかもしれませんね。

その時に、マスクの着用有無で
いざこざが起きない世の中で
あることを願っています。

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