平田はる香さんの
『山の上のパン屋に人が集まるわけ』
を読みました。

うまく生きるよりも、健やかでいられる。を
SNSなどでも話題となり、
年間3万人以上が来店し
年商3億円の売り上げを記録するなどを
成し遂げた長野県にあるパンと日用品の
お店「わざわざ」。
著者の平田はる香さんが
ひとりではじめてから創業14年。
いまでは前述の通りの規模にまで成長。
ただ、パン屋をはじめることになったのは
世の中の「ふつう」にうまく乗れなかった著者が
唯一できそうなことであり、
うまく生きることよりも健やかでいられる方法を
突き詰めていった結果、
多くの人に支持されるお店になっていったとのこと。
お店の成長もたしかに素晴らしいものですが、
うまくいった事例のノウハウというよりは、
著者が自身の人生において何を考え、
どう向き合っていったかといった
「心」の部分に焦点を当てて
書かれた一冊となっています。
読書中のツイート
向き合い、考え、できることをやり続ける
世の中には、さまざまな「ふつう」と
言われていることが多々あります。
ただ、その「ふつう」というのは
誰かが苦しい思いをしたり
心を犠牲にして成り立っているものも
たくさんあります。
それが表面化しているものもあれば、
表に出ていなくても実際にそうであるものも
あるのが現状の実態。
消費や働き方、関係性など
フェアでもフラットでもないことは
たくさんあります。
そうした誰か、何かの犠牲を伴うことで
成り立つ「ふつう」というのは
本来はあっていいものではないはず。
本書では著者ご自身がさまざまなことに
向き合い、考え、できることをし
どうしたら自分も関わるすべての人たちも、
心身ともに健やかでいられるかの
試行錯誤の足跡が詰まっています。
「誰か」のために、とはよく言われますが、
その「誰か」には自分も含まれるものですし、
自分にとって一番近いところにいる「誰か」とは
自分である、と。
つまり、まずは自分にとって大切なものを
ちゃんと大切にし、自分を満たす。
それができてこそ、他の「誰か」のためにも
できることがあるという順番に
なるのだと思います。
世の中が求めることに対し、
どこかで無理して合わせていくよりも、
自分がちゃんと納得できるかどうか。
そしてどうであれば、どうすれば
納得して取り組んでいけるのか。
目の前のことひとつひとつに
ちゃんと向き合い、考える。
納得するまで考え、自分にとってどうか、
無理なく健やかでいられるのか。
そうしたことを考えながら、
自分にできることをやり続けていきたいですね。