2022年も毎日の読書を続けた私は、
1年間で63冊の本を読了しました。
79冊読んだ2021年と比べて冊数は減りましたが、
読みたい本をゆっくり読めた
1年だったように思います。
とはいえ2020年が62冊だったので、
ゆっくり読みつつも冊数も読んでいたことが
数字で表れていますね。
その2022年ラスト、63冊目に読んだのは
ウィル・ストーさん著、風早さとみさん訳による一冊
『ステータス・ゲームの心理学~なぜ人は他者より優位に立ちたいのか』

人が生きる「ステータス・ゲーム」を豊富な事例とともに展開
私たち人間は、この世の中で
「他者より優位に立って、ステータスを得る」
そんなステータス・ゲームを生きていると
いわれています。
本書は、全29章という厚い内容で
実際の事例を提示しながら
社会学や心理学など多方面の研究から
展開した一冊です。
本書の章構成
プロローグ
第一章 ベン・ガンの人生とその後
第二章 まわりとうまくやりつつ、人より成功する
第三章 シンボルにあふれた想像世界
第四章 ルールにあふれた想像世界
第五章 三つのゲーム
第六章 名声ゲーム
第七章 支配ゲーム
第八章 男性、誇大妄想、屈辱―ゲームオーバーの三大要素
第九章 ルール変更はプレーヤーを変える
第一〇章 ステータスのスロットマシン
第一一章 欠陥
第一二章 人類共通の偏見
第一三章 夢を生きる
第一四章 服従、革命、文明化
第一五章 プレーヤーがつくられるまで
第一六章 夢を信じる
第一七章 ゴールドラッシュ!
第一八章 戦争ゲーム
第一九章 いとこたちの専制
第二〇章 被害者、戦士、魔女
第二一章 夢で道迷う
第二二章 ステータス製造機
第二三章 破滅へ-ステータス製造機 第二部-
第二四章 地獄から脱する道
第二五章 新自由主義の自己像
第二六章 公平と不公平
第二七章 夢と夢がぶつかるとき
第二八章 共産主義の寓話
第二九章 ステータス・ゲームの七つのルール
読書中のツイート
ステータスを求めるのは生き延びるため?
数多くの歴史上の史実をはじめ、
さまざまな学問からの知見を
具体例として紹介しつつ、
人が「他者からの称賛や評価(=ステータス)」を
求めてきたことについて展開した本書。
個人的なことになるのですが、
私は本書を読む直前に
アンデシュ・ハンセンさんの『ストレス脳』を読み、
そこには生き延びることを最優先に考える
脳の働きについて書かれていました。
そうした脳の働きの観点から考えると、
人が他者からの称賛や評価、
つまりステータスを気にして求めてしまうのは
それによって生き延びるための
安全だったり保障だったりといったものを
求めているのかもしれません。
だとすると、人がステータス・ゲームに
取り込まれてしまう、ということは
生きるための本能であり、
避けて通れないものだと言えそうです。
ただ、世の中にはさまざまなルールの
ステータス・ゲームがあり、
どのゲームをプレーするかは
本当は自分で決められるもの。
だとすると、他人の称賛や評価に流されるような
他人のゲームではなく、
自分のゲームをプレーすること。
他人と比較せず、自分の内面に集中して
自分のできることややるべきことをやる。
つまり、自分のルール、自分軸で
自分のステータス・ゲームを生きて
納得するステータスを自分で付与することが
大事なのだと思います。
人生のステータス・ゲームと
そこでどう生きていくのかということについて、
私にとっては過去に読んでいた本の内容と合わせ、
2022年最後に学びを得られた一冊でした。